薬物犯罪組織等は、知人の紹介、元同僚、学校時代の先輩・後輩等、あらゆる人間関係を利用して「運び屋」になるように誘ってきます。
薬物「運び屋」は、重大な犯罪です。日本でも外国でも重い罪で厳しく処罰されます。
他人から預かった荷物でも、自分の携行品の中身については責任を問われます。「知らなかった。」、「分からなかった。」では済みません。
薬物犯罪組織等からの誘いに応じ、安易な気持ちや報酬目当てで薬物の「運び屋」になり、密輸入の罪で検挙される者が増えています。
仕事もなく、居候先の男に相談していたところ、「海外旅行に行ってくるだけで50万円くらいになる仕事がある。渡航費用も心配いらない。」と誘われ、金欲しさから「運び屋」になった。
刑務所仲間から、「仕事がある。シャブの密輸。警察から見つかっても、外人から無理矢理運ばされたと言え。お礼はする。」と誘われ、出所後に世話になっていたことと金欲しさから「運び屋」になった。
客から、「フィリピンや中国から覚醒剤を運ぶ事で300万の報酬が入る。やれば借金も返せるだろう。みんなX線や麻薬犬もクリアして100%成功している。」と誘われ、借金返済と金欲しさから「運び屋」になった。
借金返済後、再度、借金を申し込んだところ、「儲け話がある。ヤバい仕事。スーツケースをマレーシアから持って帰るだけ。」と誘われ、会社の運営資金等欲しさに「運び屋」になった。
元職場の同僚から、「海外からカバンを運ぶ仕事をしないか。」と誘われ、金欲しさから「運び屋」になった。その後、同僚から紹介された者から「カバンの蓋の内側に物を隠している。X線検査も検知されない。」と言われた。
するもので、報酬目当てや無料での海外旅行目当て、あるいは安易な気持ち等から「運び屋」を引き受けてはいけません。
我が国の薬物犯罪の刑罰の中では、密輸・密造罪が最も重く、例えば、営利の目的で覚醒剤を密輸入した場合の最高刑は無期懲役と定められています。
首謀者ではない単なる「運び屋」であっても長期の懲役刑が言い渡されているのです。