「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(DV防止法)」において「配偶者からの暴力」は、配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの)又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動と規定されています。生活の本拠をともにする交際相手から暴力を受けた被害者も、DV防止法が適用されます。
いったん暴力がおさまって相手が優しくなっても、暴力が再開される可能性は充分あります。あなた自身や子供、親族に対する殺人、傷害等重大事案に発展するおそれがあります。「まだ相手に情が残っている」「外ではまじめな人なのに」「自分さえ我慢すれば」等と考えていませんか。あなた自身やあなたの子供、親族の生命や身体を守ることを第一に考える必要があります。
相手方からの暴力による被害を自ら防止するための援助を受けることができます。援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、次の援助を行います。
1 被害を自ら防止するための措置の教示
2 住所又は居所を知られないようにするための措置
3 被害防止交渉に関する事項についての助言
4 加害者への被害防止交渉のための必要な事項の連絡
5 被害防止交渉を行う場所としての警察施設の利用
6 その他
保護命令とは、相手方からの身体に対する暴力を防止するため、被害者の申立てにより、裁判所が相手方に対し、被害者等へのつきまとい等を禁止する命令です。
保護命令には、次の5つの種類があります。
1 被害者への接近禁止命令(期間1年)
被害者の身辺につきまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。
2 被害者と同居している未成年の子への接近禁止命令(期間1年)
被害者への接近禁止命令の期間中、被害者と同居している子の身辺につきまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。
3 親族等への接近禁止命令(期間1年)
被害者への接近禁止命令の期間中、被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者の身辺につきまとい、又はその通常所在する場所の付近をはいかいすることを禁止する命令です。
4 電話等を禁止する命令(期間1年)
接近禁止命令の期間中、被害者に次の①から⑩の行為を禁止する命令です。
被害者と同居している未成年の子にも発せられる場合があります。子への電話等を禁止する命令には、①及び⑤の「電子メールの送信等をすること」が含まれません。
① 面会の要求
② 行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又は知り得る状態に置くこと
③ 著しく粗野又は乱暴な言動
④ 無言電話、又は緊急やむを得ない場合を除き、連続して、電話をかけ、文書を送付し、通信文等をファクシミリ装置を用いて送信し、若しくは電子メールの送信等をすること
⑤ 緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、通信文等をファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メールの送信等をすること
⑥ 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又は知り得る状態に置くこと
⑦ 名誉を害する事項を告げ、又は知り得る状態に置くこと
⑧ 性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくは知り得る状態に置き、性的羞恥心を害する文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を送付し、若しくは知り得る状態に置き、又は性的羞恥心を害する電磁的記録その他の記録を送信し、若しくは知り得る状態に置くこと
⑨ 相手方の承諾を得ないで、GPS機器等により位置情報を取得すること
⑩ 相手方の承諾を得ないで、相手方の所持する物にGPS機器等を取り付けること
※「通信文等をファクシミリ装置を用いて送信」とは
文章を送信する場合以外にも、文章になっていないもの(記号等)を送信する場合や白紙を送信する場合も含みます。
5 退去等命令
被害者とともに生活の本拠としている住居から退去すること及びその住居の付近をはいかいしてはならないことを命じるものです。
退去命令の期間は、原則2か月。住居の所有者又は賃借人が被害者のみである場合、申立てにより期間が6か月。
2年以下の懲役又は200万円以下の罰金
・ 相談窓口・支援制度(警察庁ホームページ内リンク)
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・ 宮城県内の相談窓口等(宮城県ホームページ内リンク)
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